ストレッチの効果的な時間と回数
2018年09月16日
みなさんこんにちは。ストレッチアップ本部の山崎です!
今回はストレッチをかける時間についてお話していきたいと思います。
まずストレッチには大きく分けて以下の2種類に分類されます。
・静的ストレッチ
・動的ストレッチ
まずはこの2種類がどのようなストレッチなのか見ていきましょう。
静的ストレッチ
筋肉を一方方向に可動域の限界まで伸ばし、キープすること。主に運動後のクールダウンに用いられ、筋肉痛を和らげたりや疲労回復の効果がある。
柔軟性を高めるために同じ状態で身体をキープするものが静的ストレッチです。
よく開脚をしたくて「イテテ」と我慢する、あれです(笑)
動的ストレッチ
筋肉を一方方向ではなくいろんな方向へ動かしながら行うストレッチ。主に運動のウォーミングアップなどに用いられ、身体が動きやすくなりトレーニング効果がアップする。
ラジオ体操やサッカー選手の試合前にリズミカルに足を上げたりしている、あれがまさに動的ストレッチです。
肩まわりの動的ストレッチはこちらの記事を参考までに。
今回はこの静的ストレッチについて着目していきたいと思います。
静的ストレッチと動的ストレッチについて簡単にご理解いただけたと思いますが、
いや結局、何秒キープしたらいいの!?
と思いますよね。
よくお客様からも聞かれる質問です。
「10秒数えてください」
「20〜30秒をキープしましょう」
「長ければ長いほど伸びますよ」
こんなこと言われちゃうと何が正解か分からないですよね(笑)
この静的ストレッチについての論文が発表されていますので、その情報を共有したいと思います。
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【対象】
膝疾患の既往がない健常成人 20 名、女性 10 名(21-54 歳、平均 30.3 ± 8.7 歳)、男性 10 名(22-35 歳、平均 28.8 ± 3.8 歳) を対象とした。
【方法】
右下肢を対象側とし、膝屈曲 90°の等尺性最大膝伸展筋力(MVC)を下肢筋力測定・訓練器(アルケア社製、以下 QTM) で測定した。ストレッチ前の運動負荷として 60%MVC の等尺性膝伸展運動(膝屈曲 90°、収縮時間 6 秒、10 回)を QTM で 行った。運動後、大腿四頭筋の他動的ストレッチを行い、ストレッチ前後の大腿四頭筋緊張度(以下 Q-tension)を測定した。
【結果】
女性のストレッチ前後のQ-tensionの変化は、10Sではストレッチ前2.3±1.3kg、後2.1±0.7kgで、ストレッチ後統計的 に有意な低下を認めなかった。20 Sと 60 Sでは、20 Sのストレッチ前 2.4 ± 0.8kg、後 2.0 ± 0.7kg、60 Sのストレッチ前 2. 3±1.0kg、後2.0±0.8kgで、20Sおよび60Sともストレッチ後統計的に有意な低下を認めた。男性のストレッチ前後の Q-tension の変化も、10 Sではストレッチ前 3.7 ± 1.9kg、後 3.3 ± 1.7kg で、ストレッチ後統計的に有意な低下を認めなかっ た。20 Sと 60 Sでは、20 Sのストレッチ前 3.7 ± 2.0kg、後 3.2 ± 1.7kg、60 Sのストレッチ前 3.9 ± 2.3kg、後 3.2 ± 1.8kg で、20 Sおよび 60 Sともストレッチ後統計的に有意な低下を認め、女性と同様の結果であった。
(引用:公益社団法人 日本理学療法士協会 「ストレッチングの効果的な持続時間について」)
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膝疾患の既往がない健常成人 20 名、女性 10 名(21-54 歳、平均 30.3 ± 8.7 歳)、男性 10 名(22-35 歳、平均 28.8 ± 3.8 歳) を対象とした。
【方法】
右下肢を対象側とし、膝屈曲 90°の等尺性最大膝伸展筋力(MVC)を下肢筋力測定・訓練器(アルケア社製、以下 QTM) で測定した。ストレッチ前の運動負荷として 60%MVC の等尺性膝伸展運動(膝屈曲 90°、収縮時間 6 秒、10 回)を QTM で 行った。運動後、大腿四頭筋の他動的ストレッチを行い、ストレッチ前後の大腿四頭筋緊張度(以下 Q-tension)を測定した。
【結果】
女性のストレッチ前後のQ-tensionの変化は、10Sではストレッチ前2.3±1.3kg、後2.1±0.7kgで、ストレッチ後統計的 に有意な低下を認めなかった。20 Sと 60 Sでは、20 Sのストレッチ前 2.4 ± 0.8kg、後 2.0 ± 0.7kg、60 Sのストレッチ前 2. 3±1.0kg、後2.0±0.8kgで、20Sおよび60Sともストレッチ後統計的に有意な低下を認めた。男性のストレッチ前後の Q-tension の変化も、10 Sではストレッチ前 3.7 ± 1.9kg、後 3.3 ± 1.7kg で、ストレッチ後統計的に有意な低下を認めなかっ た。20 Sと 60 Sでは、20 Sのストレッチ前 3.7 ± 2.0kg、後 3.2 ± 1.7kg、60 Sのストレッチ前 3.9 ± 2.3kg、後 3.2 ± 1.8kg で、20 Sおよび 60 Sともストレッチ後統計的に有意な低下を認め、女性と同様の結果であった。
(引用:公益社団法人 日本理学療法士協会 「ストレッチングの効果的な持続時間について」)
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少し難しい言葉も出てきましたが、結果を簡単にいうと、
・10秒のストレッチはあまり効果が出なかった
・20秒のストレッチは効果が出た
・60秒のストレッチも効果が出た
・20秒と60秒のストレッチ効果はそこまで差がない
といった結果です。
ストレッチをかける時間の目安
これら結果から、ストレッチをかけるの有効的な時間目安は、、、
20〜30秒
ということが考えられます!
ただし60秒することがダメ、というわけではありません。
20秒やっても60秒やっても結果はあまり変わりませんよ、ということ。
ここで豆知識を共有すると、筋肉には伸びると元に戻ろうとする働きがあります。
イメージはゴムです。
ゴムって伸ばすとバチっと元に戻りますよね?
そのような働きが筋肉にもあるのです。
なので20秒伸ばしても効果はあるが、筋肉は元に戻ろうとする。
この元に戻ろうとする動きも、何回も続けることによって、徐々に筋肉が伸びていくのです。
ストレッチをかける時間と回数
これらのことから考えられるのは、、、
60秒ストレッチするなら、20秒を3セットしましょう、ということです。
60秒やって筋肉がまた元に戻る動きをするなら、
あまり効果が変わらない20秒間のストレッチを3回、計60秒やった方が効果的ですよね?
20〜30秒を2,3セット
これが統計から考えられるストレッチをかける時間の目安となります!!!
皆さんもセルフストレッチをするときはこれを目安にやってみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
山崎 篤史(やまざき あつし)
ストレッチアップ本部
ストレッチアップ心斎橋店店長、ストレッチアップ五反田店店長を経て、現在はストレッチアップ本部SVとして研修や店舗管理に従事。陸上競技歴21年。大阪インカレ2位、関西インカレ5位、関西実業団7位。