肩へのマッサージでは効果なし?肩こりに効く肩甲骨はがしストレッチ
2018年03月23日
多くの方が体の不調で感じているともいわれている肩こり。
日々のデスクワークなどで肩の痛みが取れずに頭痛も時々、、、なんて方も多いのではないでしょうか?
厚生労働省によって実施されている国民生活基礎調査で、
有訴者(病気やケガなどで自覚症状がある者)の割合が公表されているのですが、
最新の28年度に公表されている結果を実際に見てみると・・・
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【男 性】
1位:腰 痛
2位:肩こり
3位:せきやたんが出る
4位:鼻がつまる・鼻汁が出る
5位:手足の関節が痛む
【女 性】
1位:肩こり
2位:腰 痛
3位:手足の関節が痛む
4位:体がだるい
5位:頭 痛
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この様に男女ともに肩こりが上位を占めている状態。
女性に関しては常に1位の自覚症状が肩こりとなっています。
そんなことから国民病とも呼ばれている肩こり、
そもそもなぜ肩こりになるのか、どうしたら肩こりは改善できるのかを見ていきたいと思います。
肩こりの原因
1.運動不足
まず前提として、首や肩の筋肉量が少ないと、自分の頭の重さに耐えられなくなってしまい、それが原因で肩こりになってしまうので適度な運動が必要になります。多くの女性の方が肩こりに悩まれているのは、この筋肉量にも関係していると言われます。
2.悪い姿勢
頭の重さは体重の約10%と言われています。正しい姿勢であれば体全体で頭を支えるのですが、それが猫背など悪い姿勢になってしまうと、首や肩への負担がかなり大きくなってしまいます。
日常でパソコンやスマートフォンを使うときに、背中を丸めたり顔を前に出して画面を見ることが多いかと思いますが、
その結果、首肩の痛みが取れずに慢性的な肩こりになってしまうのです。
3.血行不良
筋肉は硬くなったり緊張している状態になると、血管を圧迫し血流を悪くしてしまい、血流が悪くなると疲労物質が溜まり、筋肉への酸素供給も不十分となり、更に筋肉が硬くなってしまいます。
寒さで肩をすくめる機会が多い冬は特に要注意。
4.ストレス
ストレスにより、体に緊張状態が続くことにより、それが血行不良にも繋がります。自律神経の乱れにより筋肉が硬直し、肩こりなど筋肉疲労の原因に。
自律神経には、心身を活発にする交感神経と、心身を回復させる副交感神経があります。
このように正反対の働きをするの2つ神経がバランスよく働くことで、私たちの健康は保たれています。
しかし、ストレスがかかると、この自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になり筋肉も血管も収縮してしまいます。
この状態が長く続くと血行が悪くなり、肩がこりやすくなってしまうのです。
肩こりのキーポイントは肩甲骨!?
肩こりは前述した通り、運動不足・悪い姿勢・血行不良・ストレスなどが原因で起こる症状なのですが、それらの原因により肩甲骨が正しく動かなくなってしまいます。この「肩甲骨が正しく動かない」ことが肩こりの大きな要因になるのです。
肩甲骨が正常なポジションにあれば、肩の動きに制限はかからないのですが、猫背など悪い姿勢により、肩甲骨の位置が正常ではないポジションにある場合、肩甲骨の本来の可動域が2~3割減少してしまい、それによって肩の動きに制限がかかってしまいます。
肩甲骨は鎖骨と繋がっており、あとは全て筋肉に包まれている筋肉です。
また、肩甲骨には6つの基本動作(挙上・下制・内転・外転・上方回旋・下方回旋)があり、本来は可動範囲がとても広いのですが、首や肩、背中の筋肉が硬く緊張してしまっている状態であれば可動域は狭くなってしまいます。
つまり、姿勢が悪ければ悪いほど肩甲骨は動きづらくなるのです。
肩甲骨の可動域を広げるためには、正しい姿勢を心がけること。
とはいえ肩甲骨が上手く動かなくなれば、正しい姿勢は取りにくくなってしまいます。
肩甲骨を正しい位置に調整するためには、「動かすこと」がとっても重要なポイントとなります。
より動きやすくするためには、関節を動かしながら体を伸ばすストレッチが有効的になります。
肩こり解消!肩甲骨周辺の筋肉を柔らかくするストレッチ6選
1.バンザイ→肘を下げるストレッチ
まずはバンザイのポーズ
次に肘を曲げながら腕を下に引いていきます。
※腕の位置がこのように前にならないように。
※耳の横、できる方はそれより少し後ろのラインで動かしましょう。
タオルを使うと動きを意識しやすいです。
ポイントはタオルは常に引っ張っておくこと。
肩甲骨がしっかりと閉じて、胸にもストレッチがかかります。
2.前へならえ→肘を引くストレッチ
まずは前へならえのポーズ
次に肘を曲げながら引いてきます。
※肘はなるべく平行に引いていきましょう
この様に肘が下がると効果が半減してしまいます
3.お祈りのポーズ→胸を広げるストレッチ
まずはお祈りのポーズ
※できる方は手のひらだけでなく肘もくっつけましょう。
次に閉じていた肘をいけるところまで広げていきましょう
後ろから見るとこんな感じ
※このストレッチも肘の位置が下がりすぎないように注意
4.頭の上で腕をクロス→上体を横に倒すストレッチ
まずは頭の上で下記のように腕をクロスします
そのまま上体を横に倒していきます
※下半身はなるべく動かさないようにキープ
5.肘ひっかけストレッチ
まずは手のひらを肩甲骨の間に置き肘を立てます。
反対の手で肘を横に引っ張ります。
顔を前に向けるとよりストレッチがかかります。
6.肩回しのストレッチ
これが基本のポーズ
そのまま肘を前に持っていきます。
次はそのまま肘をいけるところまで上に。
また基本のポーズ戻ります。
横から見るとこんな感じ。
まずは一つ一つの動きを丁寧にチェックしながら行いましょう。
慣れてきたら動きを繋げてグルグルと肘で大きな円を描くように肩を回していきましょう。
このストレッチは肩甲骨の6つの基本動作全てが含まれているので筆者のオススメです。
これらのストレッチを習慣的に行うと・・・
肩甲骨の自由度が高まり、ぐにゃんぐにゃんに。
チーターのような肩甲骨になれば、身体機能が向上、障害予防にも。
上記のように四つん這いになり、肩甲骨を立てる動きを「立甲」と言います。近年ではスポーツ選手がパーフォーマンスアップや障害予防に取り入れています。
この動きは上級者編になりますので、また改めて記述させて頂きますが、自由度が高いと肩甲骨はここまで動くようになる、ということを知って頂ければと思います。
まとめ
肩こりには肩甲骨が大きく影響していることや、簡単なストレッチを継続することで肩甲骨の可動域が広がることがお分かり頂けたかと思います。肩や首に違和感を感じたらまずは、肩甲骨を動かすことをオススメします。
無理はせずにできる範囲でいた気持ちいいところでキープし、ストレッチを行いましょう。 肩甲骨を動かす習慣をつけることで、肩こりの悩みはかなり解消されますので、これを機にストレッチを習慣化して肩こりのない生活を手に入れましょう。
この記事を書いた人
山崎 篤史(やまざき あつし)
ストレッチアップ本部
ストレッチアップ心斎橋店店長、ストレッチアップ五反田店店長を経て、現在はストレッチアップ本部SVとして研修や店舗管理に従事。陸上競技歴21年。大阪インカレ2位、関西インカレ5位、関西実業団7位。